グランミューズ部門入賞者インタビュー:Cカテゴリー2位 寺村優さん
2022年2月26日(土)に行われるグランミューズ部門入賞者記念コンサート。
インタビューのお二人目は寺村優さんです。グランミューズ部門全国大会に度々進出されている常連さんであり、バッハの演奏でお馴染みの寺村さん。今回は新設されたCカテゴリーでご入賞されました。
ご受賞おめでとうございます。コンペティションは何度も受けられていると思いますが、今回の入賞のお気持ちを聞かせてください。
2020年度にCカテゴリーが新設されたと伺っておりまして、本当は昨年初回で開催される予定だったのですが、コロナで中止になり、一年待っておりましたのでぜひ出演したいと思いました。今回、全国大会で賞をいただけると思っていなかったので、率直にうれしく思っております。
Cカテゴリーの審査をされた先生にお話しを伺ったときに、皆さんすごくレベルが高くて驚いたとおっしゃっていました。
予選の時からものすごくレベルが高くて、予選にも関わらずこれが本選や決勝大会だとしてもおかしくないくらい、皆さん素晴らしかったので、決勝大会に残れたことが自分でも驚きでした。
寺村さんのお気に入りは、やはりバッハですか?
若い頃はなんでも弾いたのですが、ここ4、5年ですかね。バロックとかバッハの曲を主に手掛けるようになりました。年齢とともにバッハの対位法の曲が弾きたくなってきたという感じです。
ピアノに限らずなのですが、古楽が好きです。バロックの演奏をよく聞くようになり、それから手掛けるようになりました。
以前の入賞者コンサートでも、ヴィヴァルディなどのバロック音楽がもとになっている作品をご披露いただきましたね。
イタリアン・バロックが好きです。弦楽合奏を中心とした古楽、ヴィヴァルディとかそれよりちょっと前の時代の音楽が好きですね。
今回の入賞者コンサートの曲目はどのように選ばれましたか?
今回、全国大会ではバッハのソナタ BWV964より第1、4楽章を弾いたのですが、時間の制約もあって弾けなかった第2楽章を、入賞者コンサートでは聴いていただこうと思って練習しています。この曲は、もともとはバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番で、それをクラヴィーア用に編曲された作品です。原曲では出てこなかった対旋律やバスの動きがあったりして、とても面白い作りになっています。第2楽章は、フーガの部分で対位法がよく出てくるところが大変難しいのですが、練習し甲斐があります。
今はどのようなスケジュールでピアノを練習されているのですか?
システム管理の仕事で、月曜から金曜までフルで働いており、家に帰ってきてから練習するにしても、長時間はできないので、なるべく毎日鍵盤に触るように心がけているという感じです。
なかなかまとまった時間が取れないこともあり、1曲を仕上げるのにものすごい期間がかかっています。1~2年かけて1曲を仕上げるというのがここ何年かのリズムです。今は、2月の入賞者コンサートで弾く曲に取り組んでいます。
レッスンにはどのくらいの頻度で行かれていますか?
不定期なのですが、発表の場やコンクールがあるときは月に1回レッスンを受けています。学生のころから40年くらい師事している先生の所に通っており、先生と一緒に曲を練り上げていくという感じです。
ピアノの他に熱中されているご趣味はありますか?
美術館に行って絵画や彫刻を見るのが好きで、時間があればそういうところに出かけます。特にルネサンス時代のイタリア絵画が好きです。あと、猫も好きです!
絵画と音楽が結びつくところはありますか?
ありますね。絵画から、描かれた時代の雰囲気をたくさん感じ得られるので、音楽にいかせると思います。
ピアノを続けるモチベーションや目標はありますか?
ピティナのコンペティションが毎年開かれているので、それを目標に1つ曲を仕上げるというのがモチベーションになっています。講評をいただくのもとても励みになります。
バッハコンクールも受けられているのを拝見しました。
実は今年度もエントリーしていまして、入賞者コンサートで弾く2楽章を弾く予定です。せっかくですので、バッハを専門にされている先生にも講評をいただけたら嬉しいです。
よりよい演奏をするために、普段心がけていることはありますか?
生のコンサートに足を運ぶことです。いい音楽を聞いて、自分の演奏の形につなげていければと思っています。先日もバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏を聴きに行ってきました。他にも古楽器を演奏される方はたくさんいらっしゃるので、聴きに行きたいと思っています。
今後の目標を教えてください。
バッハの作品はたくさんあるので、子供のころに弾いた曲もありますが、もう一度いろんな曲を弾きなおしていけたらいいなと思っています。また、以前「チェンバロを弾こう」という企画で一度弾いてみたことがあるのですが、今後も機会があればチェンバロも弾けたらいいなと思います。
寺村さん、お忙しいところご協力ありがとうございました!心のこもったバッハを楽しみにしています。