グランミューズ部門入賞者インタビュー:A1カテゴリー1位 佐々木寛志さん
2022年2月26日(土)に行われるグランミューズ部門入賞者記念コンサート。
出演者のみなさんにインタビューを実施ししております。お一人目は佐々木寛志さん。2019年度B1カテゴリーでの1位に次ぎ、今回は見事A1カテゴリーで第1位を受賞されました。お仕事で多忙な日々の中でも、ピアノに真摯に向き合う佐々木さんの素顔に迫ります。
コンクールでご入賞されたお気持ちをお聞かせください。
純粋にうれしかった気持ちが半分、練習通りに弾けなかったところもいっぱいあったので、もっといい演奏、お客さんを感動させる演奏ができたかな、という思いが半分くらいです。
これまでも本番をたくさん経験されていると思いますが、やはりコンクールは違うものですか?
全然違います!もうガッチガチに震えていました(笑)内心もう心臓に悪くて、舞台袖から手がすごく冷たくなって「ミスしちゃったらどうしよう…」と思いながらずっと怖いまま弾いていましたね。
そうだったのですね、とても意外です!
見事に1位をご受賞されており、2019年もB1カテゴリーでも1位を受賞されてますよね。
ありがとうございます。A1カテゴリーでは時代を2つ弾き分けるというのが加わってくるので、B1の時よりもハードルもあがり、その分うれしかったです。
入賞者コンサートの曲はどのように選びましたか?
聴きに来てくださるお客さんのことを考えて、かなり悩んで選びました。技巧的な曲よりは、「音楽を聴いて涙する」ような心にくる曲を選曲したいと思い、哀愁漂うショパンと、イメージしやすい自然描写のドビュッシーを入れてみました。
プロフィールではピアノをやるために転職されたと拝見しましたが、なにかきっかけがあったのでしょうか。
30歳の節目に人生について考えました。それまではいわゆるワーカー・ホリックになっていて、土日もピアノをやる時間と元気がなくなっていました。でも「本当はピアノやりたいんだよね」という気持ちがずっとあり、また同時期にピティナのB1 カテゴリーを受けて本選で落ちて悔しかった気持がきっかけで、転職しました。
以前からピアノは趣味でやられていたんですか?
6歳からピアノをはじめ、本当は音大に行き、ピアニストになりたい!という思いがあったのですがなかなか難しく、大学や社会人ではサークル仲間の中で細々と活動を続けていました。コンクールに関しては社会人になってからは受けおらず、2018年のピティナのグランミューズの予選を受けてから再開という感じです。
普段はどのくらい練習されていますか?
マンションが20時までしか弾けないので、平日はほぼ諦めていて土日でまとめて弾くという感じです。コンクールの期間だけはたまに半休とったりだとか、朝早くシフト出勤して5時前に終わらせてスタジオに行って練習したりしていました。隙間時間さまさまという感じです(笑)
どんな練習をされていますか?
基礎練習はほとんどやっていなくて、今は曲中心です。年々暗譜が怖くなってきて、譜読みも遅くなってきたので、1分でも多く曲を練習したいというのが今の練習スタンスです。
ピアノ以外の趣味はありますか?
犬が大好きです。飼ってはいないんですけど、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバーなどの大型犬が好きすぎて、毎日朝寝る前にツィッターやインスタで流れる短い動画を見ています。
あとお酒が好きです。ハイボールが大好きで、家に4リットルのウィスキーのボトルがあります。プチリッチないい香りがします(笑)
音楽はよく聴かれますか?
最近ではショパンコンクールのライブ映像を見てました。毎日夜中まで視聴して、寝不足で仕事に行っていました(笑)
好きな作曲家や作品はありますか?
ダントツでショパンが好きです。1位がショパン、2位がシューマン。年をとればとるほど味が出るのがショパンであると思います。シューマンは激しいところと、二面性が魅力です。
コンペティションの選曲もシューマンでしたね。
そうなんです。あの曲、本当に憧れで、受ける1年前くらいからウッキウキで決めました。大満足です!練習もたのしかったです。
よく聞く録音はありますか?
上原彩子さんの録音をよく聞きます。歌の間の取り方が秀逸です。また、体は小さいのに歌い方は男性のようにたっぷりとした歌い方で、大好きです。
よりよい演奏をするために、ピアノの練習以外にやっていることはありますか?
「うた」ですね。下手なんですけど(笑)、通勤途中もリズムをとりながらとか、鼻歌うたいながら歩いていました。自然な間の取り方、強弱の付け方が発見できました。
ピアノへのモチベーションはどのように維持していますか?
いつかソロコンサートをやりたいという夢があります。ここでは語り尽くせない程お世話になった恩師にのためにソロコンサートをしたい、そのためのレパートリーを増やしていきたいというのが、モチベーションになっています。
佐々木さん、お忙しいところご協力ありがとうございました!お客さんの為にじっくり選んだという今回の曲目、本番を楽しみにしています。