実施レポート:1/18草加市立西町小

草加市立西町小学校
日時:2021年1月18日(月)
会場:多目的室
参加人数:6年生3クラス111名
出演:片山 柊(ピアノ)、奥田 なな子(チェロ)

2006年度から学校クラスコンサートを開催している草加市立西町小学校では、2020年度、記念すべき10回目のクラスコンサートを迎え、ピアニストの片山柊さん(2017特級グランプリ)と、チェリストの奥田なな子さんが出演されました。

コロナ禍の開催ということで、いつもの音楽室から広めの多目的室に変更し、教室を縦長に使って演奏者と距離を取り、換気をしつつ暖かく、などの対策を取って、演奏者を迎えてくださいました。また、今回はピアノの周りに集まって見聴きするという、クラスコンサートならではの体験ができないため、音楽の先生の計らいで、鍵盤をビデオカメラで撮影し、それをライブでスクリーンに映して、鍵盤の手がよく見えるように工夫されました。

バッハの無伴奏チェロ組曲、ドビュッシーの前奏曲集より「亜麻色の髪の乙女」と「パックの踊り」といった、それぞれの楽器のソロ曲に続き、後半はショパンドビュッシーのチェロソナタでアンサンブルの響きを届けました。

6年生の児童たちは、コンサートの前にプログラムの曲目について、事前に動画で見るなどで予習してきてくれていました。すると、動画で見た時よりも、強弱の激しさや低音が体に響いてくる感覚、奏者が画面に映る指先だけでなく体全体を使って演奏していること、弾いている時の表情や気迫など、生の演奏を目の前で聴くことで初めて感じられるものに気付いた児童が多くいたようでした。最後に代表して感想を発表してくれた生徒さんも、奏法や作品について具体的な感想を述べてくれました。

片山柊さんからのメッセージ

今回は厳しい状況の中ですが、チェロの奥田なな子さんと草加市立西町小学校の6年生の皆さんに向けて演奏をさせていただきました。
曲目は、バッハの無伴奏チェロ組曲のプレリュードや亜麻色の髪の乙女などソロで耳馴染みのある作品、デュオでショパンとドビュッシーのチェロソナタを抜粋でお送りしました。生徒の皆さんは、曲目をあらかじめ予習してから当日生演奏を聴いてくださったり、今回は生徒同士が距離を取りながらの鑑賞のため、後列の生徒でも演奏者の様子が見えるようカメラで手元を撮りモニターで映すという工夫もあり、生徒や先生の積極的な姿勢を感じながら精一杯演奏させていただきました。今は生演奏をお送りする機会が減っていますが、今回現地に伺う事で改めて生演奏の意義を再確認する事ができました。

奥田なな子さんからのメッセージ

コロナと想像以上に長い付き合いとなってしまい、新しい生活様式にまだまだ試行錯誤の日々ですが、今回も子どもたちとの音楽の時間が実現するよう様々な工夫をして頂き、結果として大変実りのある時間になったと思います。子どもたちの感想からも、生の音を届けることの大切さを実感いたしました。

子どもたちの感想より(抜粋)

  • 片山さんがピアノを目の前にしていたとき、本気のオーラがにじみ出ているように感じました。
  • 動画で見るよりとても低い音がひびいていたので、すごくかっこいいと思いました。
  • インターネットだと、ピアノの指の動きしかうつらなかったけど、今回、指の動きや、弓の動かし方などを見て、とても勉強になりました。
  • 普段の音楽の授業で行うかんしょうとは違い、チェロの音の強弱や、手や指の動かし方や使い方が観れてうれしかったです。
  • 今回の学習で、約何年前にピアノができたのか、有名な作曲者のことも知れて、家に帰ってからスマホで、ピアノを使っている曲を調べて、もっといろいろな曲を知りたいなと思いました。ピアノでの演奏ですごいと思った所は、同じ音なのに、ちがう音に聞こえた所です。音の強弱で雰囲気が一瞬で変わって、すごくビックリしました。今回の学習を生かして、家にあるピアノで、音の強弱を工夫してみようと思います。
  • 奥田さんがドイツに8年間もいた事と、楽器の70さいがまだまだ若くて、一番古いのが350さいまであることにビックリしました。
  • 弓の持ち方も思っていたのとちがって、指全体で持つのではなく、数本の指で持っていて強く音を鳴らさないで軽くひいている感じがしました。
  • ドビュッシーのチェロソナタの「セレナーデ・フィナーレ」では、チェロやピアノで自然を表していて、ぼくの情景は、森の中の木々を見つめていて、川の水の流れる音やキャンプファイヤーをしているなどの自然が思い浮かびました。最後に言っていた「心は何色ですか」と聞かれ、自分は黄緑色だと思いました。
  • クラシックは歌しか無いからこそ、聞く人で自由な情景を想像できるし、色々な工夫をすることで、とてもおもしろくなると思いました。
  • 男性でピアノをひけることがすごくかっこいいと思いました。画面の先ではなく、同じ場所で音楽を聞くいい経験ができました。
  • 曲の特ちょう、曲ができた理由、注目するところ、楽器の歴史までくわしく教えていただいたおかげで、聞くときも「片山さんが説明していたのはここだったんだな」と普通に聞く時よりも曲がイメージしやすかったです。「亜麻色の髪の乙女」では片山さんの手で曲全体を表現しているところから少女のはかないイメージが浮かんできて、聞いている時も曲のストーリーに飛び込んだような気持ちになることができました。
  • 一番心に残ったのは、「パックの踊り」です。音の高低の変化が激しく、目の前に踊っている妖精がいるかのようでした。左手の大幅な移動が続いているのに正確に音を出していてすごく感動しました。
  • チェロだけでの「プレリュード」は低い音でなめらかな手の動きで、聴いていてすごくいい曲だなと思いました。チェロとピアノとのアンサンブルの「セレナーデ、フィナーレ」は、最初に説明してくれた、水や風、光の具合を表しているということを意識して聞いたら、一番始めの弦を指ではじいている所は、暗い所を合わしているのかなと思いました。また、この曲は強弱の差が激しかったので、聴いていてとてもわくわくしました。ピアノとのかけ合いもすごく、私は、チェロが呼びかけて、ピアノが答えているように感じました。
  • チェロは教科書でしか見たことがなく、生演奏ですごくきれいでした。最後の二重奏では、ピエロのぶきみさを出すために、ギターのようにひいたりしていて、目をとじた時に、そのえんそうをきいているとピエロが歩いている様子が想像できて楽しかったです。楽器や楽譜は、自然や動物からできているなんて初めて知り、弓のひく部分は馬のしっぽということを見せながら教えてくれたので、色々な楽器が、何でできているのかが知りたくなりました。奥田さんがひいている時に楽しそうにひいていたので、聞いている私たちまで楽しい気持ちになりました。
  • 低い音を出している時が印象にすごく残りました。地ひびきのような音が私の中では結構好きで、生できけたのがすごくうれしかったです。奥田さんのチェロをひいている時の右手の動きがとてもはやくて、演奏中、すごく見入ってみていました。
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