すばるイブニングコンサート 加古彩子ピアノ・リサイタル

日程:2020年2月8日
会場:すばるホール(大阪府富田林市)
出演:加古彩子
主催:(公財)富田林市文化振興事業団(富田林すばるステーション)

第49回目のピアニストは大阪音楽大学1年生の加古彩子さんです。
加古さんのプログラムはヘンデルの「シャコンヌト長調」で始まりました。音の粒が小川のせせらぎのように美しく煌めきながら流れていきます。短調に変わる第2部では曲の緩急が心の変化や強い意思を表しているようでした。ラフマニノフの「絵画的練習曲Op.39?2」では、静けさが漂う中、深く厚みのある低音、柔らかくも芯のあるメロディーが曲を高みに登らせます。

次はドビュッシーの前奏曲集より「交代する3度」と「水の精」です。「交代する3度」で小気味の良いリズムが軽快な雰囲気を醸し出したかと思うと、「水の精」では神秘的なハーモニーがいたずらっぽい陽気な水の精の雰囲気を演出します。シチェドリンの「2つのポリフォニックな小品より第2番"バッソ・オスティナート"」は、これまでの曲とは一転して、リズムやメロディーが非常に前衛的で激しい曲です。ピアノからは鋭く分厚い音が響き、加古さんの違った一面を垣間見ることができました。

そして、後半はショパンの作品から「序奏とロンド」と「スケルツォ第4番」。序奏とロンドは美しく弾むようなメロディーが印象的でした。スケルツォ第4番は、音楽が呼吸をしているかのように伸びやかな演奏で、清涼感のある美しい音色が輝きを放ち、情感溢れる音楽を奏でてくださいました。

 加古さんは透き通った清涼感のある音色をお持ちで、美しく音楽を響かせてくださいます。音楽も自然体で、素直に真っ直ぐ表現されているのが印象的でした。

レポート◎辻野文崇(すばるホール・富田林すばるステーション)
写真撮影◎西村則晃(すばるホール)

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