第5回：北本市立西小学校 2005年11月4日（金）
第4回目は、鴻巣市在住の久保はるなさん（1999年度第23回ピティナ・ピアノコンペティション特級銀賞）と、桶川市在住のクラリネットの小坂真紀さんとが初登場。紅葉の中、西小学校の4年生は、全校の中でも、一番元気のいい学年！？との評判どおり、とても元気で楽しいクラスコンサートとなった。
11月に入り、そろそろ北風も寒くなってきた頃。ピアノの周りに皆を集めて、ショパンの「木枯らし」でご挨拶。流れるように動く鍵盤と、うねりを見せる弦。迫力のクライマックスで終えると、「うわーっ、すごい！」と大喝采。きゃしゃで優しげなお姉さんの手から、こんなに大きな音が押し寄せてくるのに、びっくり。「何でそんな大きな音が出るの？？」
久保さんはそこで、1つのオルゴールを取り出す。「しーっ。」静かにして聴き入るみんな。かすかに聞こえるオルゴールの音色。
「じゃあ、ちょっとピアノの下にもぐってみるよ。」とピアノの下にもぐり、ピアノの心臓部、響板にオルゴールをくっつけてみる。
すると、さっきまで耳をそばだてないと聞こえなかったオルゴールの音が、ふわーっっとまわりへ広がった。「すごいっ！音が大きくなった！」と歓声が。
「ピアノも、この板があるから、音が響くのよ。ピアノの枠って、すごいでしょう？」と久保さん。
今度は、ピアノの弦に注目。鍵盤を押したり、ペダルを踏んだりして、弦の振動を感じさせる。「本当だーっ、すごいふるえてる！」と、感動。演奏の途中でも思わず触ってしまって、「ほらね、触って振動をとめてしまうと、音が聞こえなくなっちゃったでしょう？」と、うまくお話をつなげる久保さん。
クラリネットでは、「だんだん小さく」と、ミヨーの「スカラムーシュ」より"ブラジルの女"を演奏。
スカラムーシュには、サンバのリズムが使われている。「みんな、サンバのリズムってわかるかな？」というと、「マツケンサンバ?！」と元気よく歌いだす。「では、今日演奏する曲のリズムを、ちょっとみんなでやってみましょう。」と、小坂さん。
「タンタン・ターン・タ・・・」とお手本を見せる小坂さんに続いて、みんなも手拍子。むずかしいリズムなのに、みんなよくリズムが取れている。
「それでは、そのリズムを感じながら聴いてくださいね！」と、演奏本番。とっても明るく楽しい雰囲気に、みな身体や手、足が自然とさっきのリズムを刻んでいた。
最後に、みんなの好きな歌とリコーダーとで共演。実はこの西小学校の校歌、作曲された黒川健先生は、久保さんもかつて教えを受けたことがあるという。数日前に、年に1回の黒川先生の校歌指導を受けたばかりなだけあり、メリハリのある歌声で校歌を熱唱。その集中力には、演奏者も脱帽。
アンコールには、ちょうど窓の外にも綺麗に見えている、「もみじ」を楽しくアレンジ。いつの間にかみんなも歌いだし、楽しく幕を閉じた。
久保さんは、「ふつうのコンサートや体育館と違って、みんなの反応がすぐに近くで感じられて嬉しい。こんな機会は、生徒さんたちのためにもいいと思うけれど、私たち演奏家にとってもとても必要なこと。それに、かつての先生の曲を今の小学生と共演してつながることができるなんて、地元ならではですね。また来たいです。」と、嬉しそうに学校を後にした。
- ショパン「木枯らし」（ピアノ）
- シュライナー「だんだん小さく」（クラリネット）
- ディズニーメドレー（ピアノ）
- ミヨー「スカラムーシュ」（クラリネット）
- 黒川健「西小学校校歌」（合唱）
- 岡部栄彦「歌のにじ」（合唱）
- 市川都志春「陽気な船長」（リコーダー）
東京藝術大学音楽学部卒業、同大学院音楽研究科修士課程を首席にて修了。現在埼玉県立大宮光陵高等学校音楽科非常勤講師。1991年全日本学生音楽コンクールピアノ部門東京大会中学校の部第1位。1992年第3回埼玉ピアノコンクールD部門金賞。1998年彩の国新進音楽家オーディション合格。第9回やちよ音楽コンクール第1位。1999年第23回ピティナ・ピアノコンペティション特級銀賞。2000年ショパン全曲演奏会に出演。現在ソロ、アンサンブル等活動を行うとともに、後進の指導にもあたっている。これまでに、水野ゆみ、堀江孝子、播本三恵子、故ハリーナ・チェルニー＝ステファンスカ、植田克己の各氏に師事。
福岡県北九州市生まれ。武蔵野音楽大学器楽学科卒業。
2000年 第3回彩の国新進音楽家オーディション（管楽器部門）合格。
これまでにクラリネットを山本正治、木幡仁清の両氏に師事。
W・フックス、C・ジュフレディの各氏のマスタークラス、公開レッスンを受講。
現在、埼玉県立芸術総合高等学校非常勤講師。
協力： 埼玉県北本市立西小学校
後援：北本市教育委員会／協賛：（株）東音企画
主催：学校クラスコンサート係
