第1455回:1/19 いの町立川内小学校(神原雅治pf・鑰尼佳代sax)
2023特級銅賞の神原雅治さんは、高知支部によるコンペティション入賞者記念コンサート「ブロッサムコンサート」へのゲスト出演の翌日、高知県のいの町立川内小学校を訪れ、初めての学校クラスコンサートに出演しました。共演は地元のサクソフォーン奏者の鑰尼佳代(かぎあま・かよ)さん。高知支部によるレポートと演奏者からのメッセージ、児童の皆さんの感想をお届けします。

1月19日、神原雅治さんによる学校クラスコンサートが、いの町立川内小学校の体育館ステージにて開催されました。当日は、全校児童54名(1年生〜6年生)の温かい拍手に迎えられ、県内在住のサクソフォン奏者・鑰尼佳代さんと共に入場されました。

プログラムは、子どもたちに身近に音楽を感じてもらえるよう、親しみのある楽曲が中心に構成されていました。演奏の合間には、作曲家や楽曲について、子どもたちにも分かりやすい言葉で丁寧に説明してくださりました。
ショパンの《子犬のワルツ》から《革命》へと演奏された際には、「《子犬のワルツ》は子犬がくるくる回っているような楽しい曲ですが、次の《革命》は怒りのような強い感情を感じる曲です。その違いを楽しみながら聴いてみてください」と神原さんが曲の説明をされると、子どもたちはその言葉に耳を傾け、真剣な表情で聴き入っていました。

また、楽器紹介の場面では、親しみやすいお人柄もあり、子どもたちから多くの質問が飛び交い、体育館には終始笑い声が響いていました。サクソフォンの紹介では、身近なリコーダーに例えた分かりやすいお話があり、子どもたちの関心を大いに引いていました。

質問コーナーでは、「先生、ピアノは上手ですか?」という質問に対し、「どうだった?」と神原さんが子どもたちに問いかけると、「すっごく上手だった!」という声が返り、「ありがとう」と答える神原さんに、会場の体育館は笑い声と拍手に包まれました。
また、「どうしてピアノを選んだのですか?」という質問には、「お姉ちゃんがやっていたことと、ピアノが好きだったからです」と答えられ、続いて「お姉ちゃんより上手ですか?」と聞かれると、「お姉ちゃんより上手です」と即答され、再び会場中が大きな笑いに包まれました。
そのほかにも、「ピアノを弾いていて大変なことはありますか」「指はつらくないですか」「弾いているとき、どうして顔や体が動くのですか」「1年に何回くらい間違いますか」など、次々と質問が挙がり、神原さんが「あと1人ね」と声をかけなければならないほど、たくさんの子どもたちが積極的に手を挙げていました。

プログラム4曲目のデュオ演奏では、さらに会場が盛り上がり、子どもたちがカスタネットで参加する場面もありました。実は本番前、鍵尼さんから「手拍子を入れてもらってはどうか」というご提案があり、それを受けて支部の先生が音楽室でカスタネットを見つけ、急遽ジョプリン《ラグタイム・ダンス》で子どもたちのカスタネット参加を追加することになったのです。
演奏前に全員にカスタネットが配られ、「トン・トン・トン」という鍵尼さんの合図に合わせて入る簡単な練習を行い、「最初は演奏をよく聴いてもらいたいので、途中で合図を出します。よろしくね!」という声かけのもと、演奏が始まりました。曲の途中で、鍵尼さんの手と足による合図でカスタネットが入り、子どもたちと演奏者との息の合った、素晴らしい合奏共演となりました。演奏者と子どもたちが共演することで、会場全体に一体感が生まれ、印象的なひとときとなりました。

和やかな雰囲気の中、最後は神原さんの伴奏による全体合唱で、コンサートは幕を閉じました。
子どもたち一人ひとりの素直な反応や、教職員の皆さまの温かいおもてなし、そして学校全体のアットホームな一体感を強く感じるクラスコンサートでした。帰り際には、玄関前まで見送りに来てくださった子どもたちや先生方のお心遣いに、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりました。

レポート◎高知支部 佐竹鈴江
学校クラスコンサートをさせていただくのは今回が初めてでしたが、サックスの鑰尼さんが親しみのあるトークで子供達の緊張もほぐしてくださり、スムーズに進行できたと思います。
プログラムは子どもたちが聴きやすいように、ショパンの子犬のワルツや革命などどこかで聴いことがあるかもしれない、聴きやすい作品たちを中心にプログラムを組みました。ピアノの周りに集まってピアノの仕組みについて説明したり、楽器を使って一緒に演奏に参加して貰ったりもしましたが、子どもたちが楽しみながら興味を持って参加してくれているのが伝わりました。慣れないコンサートで緊張もありましたが、子どもたちの元気な反応のおかげで、最後には僕も子供達との交流を楽しみながら進めることができました。
今回のクラスコンサートで何か少しでも音楽の素晴らしさを感じてくれていたら嬉しいです。

川内小学校に到着すると、子どもたちは笑顔で「おはようございます」と挨拶をしてくれ、とても礼儀正しい印象を受けました。その姿から、校長先生をはじめ、先生方の日頃のご指導が行き届いていることを感じました。入場の時には会場の皆様からの温かい拍手で迎えていただき、落ち着いた雰囲気の中でプログラムが始まりました。
神原さんの鮮やかなピアノ演奏に、子どもたちは音だけでなく、鍵盤の上を動く手指にも目を向け、興味深そうに聴き入っていました。サクソフォーンの説明では、子供たちに親しみのあるリコーダーと同じように息を使って演奏する、ということを伝えると、管楽器への親しみを感じてもらえたように思います。また、ピアノの近くに集まって、ピアノの仕組みを学び、実際にピアノの下で音を体感するなど、音楽を、ピアノをより身近に感じられる体験の時間や、子供たちからのユニークな質問の時間にも沢山の笑顔の花が咲きました。

今回のプログラムでは、「音楽に参加する楽しさ」ということで、スコット・ジョプリン作曲《ラグタイム・ダンス》を取り上げました。当日、高知支部の先生のご提案によりカスタネットを使用することになり、諸先生方のご協力のもと、ほとんど全員の子どもたちが進んで演奏に参加してくれました。会場全体が一体となり、音楽を共有する貴重な時間となりました。そして、プログラム終盤には、子どもたちの合唱と共演し、ピアノに合わせて元気いっぱいの歌声が響きました。音楽を通して心がひとつになる瞬間に立ち会うことができ、私自身にとっても忘れられないひとときとなりました。
最後に、このような演奏の機会をいただき、準備から当日までご配慮くださいました、佐竹鈴江先生をはじめ、高知支部の諸先生方に心より感謝申し上げます。子どもたちの素直な反応やいきいきとした表情に触れ、音楽が人と人をつなぐ力を改めて感じることができました。このコンサートは、私自身にとっても、音楽との出会い、人との出会いの大切さを実感する、温かな時間となりました。本当にありがとうございました。
目の前で奏でられる「本物の音」の迫力や指先の繊細な動きに、子どもたちが一瞬で引き込まれていく様子が印象的でした。本物に触れる機会というのは、やはり、子どもたちにとって大きな意味があるものと感じました。「ピアノがあんなにかっこいいと思わなかった」「自分ももっと練習したい」と子どもたちから様々な声を聞きました。音楽を通じて「表現するすることの素晴らしさ」や「一つのことを極める尊さ」をそれぞれ感じているようでした。
- わたしは「かく命」という曲を聞いた時に、すごくおこっているのが分かりました。
- 音楽でこんなにも心が動き、時間があっという間に過ぎてしまいました。
- こんなに上手な人でも、失敗する方が多いと知りおどろきました。
- ピアノをひいている時に、音の高さがだんだん変わるにつれて指の動きもなめらかに流れるようにひいていたのがすごいなと思いました。サクソフォーンの演奏の時は、体育館中に音がひびきわたってきれいでした。大きな音をひびかせていたので、肺活量がすごいんだなと思いました。サクソフォーンとピアノのデュオの時は、2つの楽器の音が重なって、きいている間、わくわくしていました。全校で「未来へ」を合唱した時、プロの人が弾くピアノにあわせると、みんなの声がいつもよりもきれいにひびいて聞こえました。
- 音の強さや速さが工夫されていて、ただ楽しいだけでなく、子犬の気持ちまで表していると思いました。
- 「ラグタイム・ダンス」でサックスを吹いていた鑰尼さんが楽しそうだったので、私たちも楽しくなりました。ピアノの近くに行った体験で、ピアノの下がとても音がひびくことが分かりました。
- ベートーヴェンの「月光」も間近で聴いて、静かで少し悲しそうな気持ちになりました。はじめのゆっくりした音は、夜の湖に月がうつっているようで、とてもきれいだと思いました。音が小さくても、心に強くひびいてきました。この曲を聞いて、言葉がなくても音楽で気持ちを伝えられることがすごいと思いました。
- 鑰尼佳代さんの「サクソフォーン」の演奏では、私たちが音楽の授業で使っている「リコーダー」とは聞こえる音が全然違い、同じ木管楽器だとは思えませんでした。サクソフォーンの難しいところを調べてみると、良い音を出すには口の筋肉と息のコントロールが必要と書かれていて、鑰尼さんはそんなところも気をつけて演奏しているんだなと、後になって知りました。

この学校クラスコンサートは佐藤均様、日和崎ホールディング様にご協力いただきました
高知新聞「高速、軽やかな指使い…プロの生演奏すごい!有名ピアニストらが川内小で演奏 高知県いの町」 (2026年1月21日)
前日に開催された高知支部主催の入賞者記念コンサート・高知県知事表敬訪問の記事はこちら


