すばるイブニングコンサート 飯田円ピアノ・リサイタル

すばるイブニングコンサート 飯田円ピアノ・リサイタル
日程:令和7年3月29日(土)17時開演
会場:すばるホール(大阪府富田林市)

第65回目のピアニストの飯田円さんです。

飯田さんのコンサートは、シューベルトの「ピアノ・ソナタ第13番」で始まりました。第一楽章は、柔らかく暖かい音色が響き渡り、春の訪れを喜ぶようなのどかな旋律を朗々と歌ってくださいました。第二楽章は、繊細な感情の変化を丁寧に描きしてくださいました。第三楽章はリズミカルな演奏で、活き活きと躍動感あふれる音楽を紡いでくださいました。続いて演奏してくださったのは、ラフマニノフの「ひなぎく」。光が乱反射するように、ピアノから生み出される音の粒がまぶしい輝きを放ち、幻想的な世界へと誘ってくださいました。 続いてもラフマニノフの作品で、エチュード「音の絵」からOp.39-8とOp.39-1の2曲。Op.39-8では、一つの悲しい物語を描くかのように、悲哀に満ちた音色がドラマティックに綴られました。また、Op.39-1では、滑らかな指捌きから変化に富んだ音楽が生み出されました。そして、最後に演奏してくださったのはシューマンの「ウィーンの謝肉祭の道化芝居『幻想的情景』」。これまでの演奏とは違い、厚みのある豊かな音色が会場を包み込み、楽曲を構成する5つの楽章を表情豊かに演奏してくださいました。第一楽章は力強い演奏で鼓舞するように、第二楽章は切ないメロディーを丁寧に、第三楽章では道化のようにコミカルで楽しく、第四楽章ではうねりを作りながら流れるように、第五楽章はお祭りの様々な場面を多彩に表現してくださいました。

飯田さんは、会場の隅々まで美しく響き渡る音色をお持ちです。確かな音楽創りと多彩な表現で、聴く人の心に迫ることができるピアニストです。これからも、いろんな作品で魅力を発揮してくださるのが楽しみです。

飯田円さんのコメント

このたびは、大変貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
ソロ・リサイタルという、自分ひとりのためだけに用意していただいた初めての舞台。その責任と重圧に不安を感じることもありました。
しかし当日は、高い天井までいっぱいによく響く会場と、私の要求に多彩な音色で応えてくれる素晴らしい楽器が、リハーサルの中で、曲に対するイマジネーションをどんどん広げてくれました。
本番では、たくさんのお客様の温かい眼差しに見守られることで、自分の中で膨らんできたイメージや思いが今まさに音楽として生き始めることに気づきました。また、聴いてくださる方がおられるからこそ、私は楽器を通して語ることができる、その喜びを実感しました。
たくさんの方のお力添えで実現したこのかけがえのない一日は、人前に立つことの責任とともに、音楽が人と人とをつなぐものであることを、あらためて教えてくれました。
会場でお聴きくださったすべての方々、そしてこの日までにご支援くださったすべての方々への感謝を胸に、いつか何かの形で恩返しができるよう、また、今後も真摯に学び、探究を深めていくことで、いつか音楽を通して社会に貢献することができるよう、努力し続けていきたいと思います。

飯田円
来場者のコメント(抜粋)
  • ホール全体を包み込むような演奏でとてもよかったです。
  • 音がたくさん踊っていました。響の広がりがステキでした。
  • 細身の体から出ているとは思えないほど深くて、そして多彩で味わい深い音色でした。
  • すばらしい感動をありがとうございます。胸がいっぱいになるとはこのことと身をもって思いました。
  • はじめからおわりまでワクワクできるステキな演奏でした。
  • 音色がまろやかでキラキラしていた。短調の暗い場所ではぐっと変化して楽しめた。
  • いろんなキャラクターの作品からピアニストの豊かなイメージがいっぱい伝わってきました。また、聴かせていただきたいです。

レポート◎辻野文崇(すばるホール・富田林すばるステーション)
写真撮影◎藤原敬久(すばるホール)

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