レポ：12/13 足立区立花畑第一小（伊賀あゆみpf・竹中勇人vn/動画あり）

12月13日には、ピアニストの伊賀あゆみさんとヴァイオリニストの竹中勇人さんが足立区立花畑第一小学校を訪れました。参加してくれたのは、元気いっぱいの1年生と2年生。踊りの曲もたくさん入れたプログラムを届けました。

伊賀さんが「私が小学3年生の頃に、初めて自分のお小遣いで楽譜を買った、思い出の曲です」と、ショパンの「小犬のワルツ」を弾くと、子どもたちからは、「くるくる回っているみたいだった！」「すっごく速かったから走り回っているみたいだった！」「追いかけっこしてるみたい！」と声が挙がりました。「そうだね。そうやって、演奏を聴いて『どんな動きをしているのかな？どんな気持ちかな？』などとイメージを膨らませて聴くと、どんどん聴くのが楽しくなってくると思いますよ！」とアドバイスも贈りました。

「手で弾くところを鍵盤と言います。みんなから一番遠い方が低い音で、太くて長い弦が張ってあって、右側に行くほど細くて短い弦になります。全部で鍵盤は何個か数えてね。」と低い音から弾き始めると、数えていた子ども達も追いつかなくなって笑い出します。「ヴァイオリンの一番低い音がここまでなのだけど、ピアノはこんなに低い音から高い音まで、オーケストラの楽器全ての音を1台で出せるので、楽器の王様と言われているんです。」と解説。

「そんな王様はとても重くて350キロもあるので、ヴァイオリンは自分の楽器を持ってこれるけれど、私はおうちのピアノを持ってくることはできません。だから、みんな学校のピアノを大切にしていてくれると嬉しいな。」と話しました。また、「ピアノって生き物みたいで、その環境によって音が変わります。雨が降って空気が湿っていたり、みんなのお洋服がもこもこしていたり、そんなことでも音が変わるので、今日ここでみんなと一緒に聴く音は、今しか聴けないものなので、そのライブ感を楽しんでくださいね。」という話もしました。

「次にもう1曲ゴージャスなワルツを弾くのだけど、今日は特別に！どこで聴いてもいいです！」と伊賀さんが言うと、子ども達は「えっ？？」と。「ピアノの鍵盤や弦が見たければ近くに寄ってもいいし、ピアノの下にもぐりたければ気を付けてもぐってもいいです。音は聴く場所によって聞こえ方が違うので、この体育館の後ろの方とか、横の方とか、色々な場所を動いて聴いてみてもいいですよ。では、最初に聴きたい場所へ動いてください。」と言うと、子ども達はピアノの周りや下に集まったり、体育館のはじっこへ移動したり。曲の途中で、前と後ろとを移動して聴き比べる子もいました。

その様子を眺めていた竹中さんは「今、色々なところを踊りながら移動している子もいたよね。その踊っている人たち、ほとんどがくるくる回っていたんですよね。あれ実は大正解で、ワルツっていうくるくる回るダンスの曲だから、みんな無意識だったと思うんだけど、すごいなぁと思って見ていたんですよね。」とコメント。

「今度はみんなのよく知っている、ドラえもんのしずかちゃんが弾いている楽器」と紹介されたヴァイオリンは、ピアノと違ってとても軽くて、だいたい500mlのペットボトル1本くらいの重さだと言い、コンコンと叩いて中身が空洞なのを感じさせます。「でもこの箱の中の空洞が大事で、みんながお風呂で歌うと声が響くように、この箱の中の空気を震わせて音を響かせているんですよ。」と説明します。

「ピアノと違うところは他にもあって、ピアノは鍵盤で「ド」と「レ」のように音の境目があるけれど、ヴァイオリンにはないので、自分で音を探して弾かなくちゃいけないんです。それに、ピアノは指10本を使えるので同時に10個の音を出すこともできるけれど、ヴァイオリンは弦が4本しかないから、同時には4つの音を一瞬出すしかできません。でも、ピアノは鍵盤を押したら音は小さくなるだけなのだけど、ヴァイオリンはこすって音を出しているので、いくらでも長く音を続けることもできるし、だんだん大きくすることもできます。だから、メロディを歌うのが得意なんですよ。」と、ピアノとヴァイオリンの特徴を比べながらお話しました。

そしてメキシコの愛の歌「エストレリータ」、ハンガリーの酒場の踊りの音楽「チャールダーシュ」で美しく情熱的なメロディを奏でました。子ども達の間に入って目の前でかがんで演奏をしたり、急に雰囲気を変えたり、掛け声をかけたり、子ども達は目を輝かせて竹中さんのヴァイオリンを追いかけていました。その場での即興的な演奏にも、伊賀さんは即座に反応して返し、抜群のコンビネーションを発揮していました。

最後は、クリスマス前ということで「赤鼻のトナカイ」を共演。子ども達も元気いっぱいにかわいい振り付きで歌ってくれました。