5年ぶりに特別編として復活:ピティナ・十代の演奏家シリーズvol.18 出演は阪田知樹さん!

※終了しました

5年ぶりに特別編として復活!ピティナ十代の演奏家シリーズVol.18出演は、阪田知樹さん!

ピティナのトップ入賞者の中から、将来の音楽家として期待される十代の子どもたちに、本格的なリサイタルの機会を提供し、今後の演奏活動を応援することを趣旨として開催されてきたシリーズ。

古くは田部京子さん、野原みどりさんといった現在第一線で活躍している演奏家からスタートし、関本昌平さん、田村響さん、尾崎有飛さん・・・と、ピティナ特級グランプリが次々と生み出されました。

今回、待望のシリーズ再開となり、ヴァンクライバーン国際コンクール最年少ファイナリストの阪田知樹さんが起用されることになりました。

1月25日(日)の一般発売に先立ち、ピティナ会員の皆様においては、優先予約を受け付けますので、この機会にぜひご利用下さい。

(企画:演奏研究委員会)

十代の演奏家シリーズ出演に向けて 阪田知樹さんインタビュー
十代の演奏家シリーズ特別編への出演に向けて、意気込みをお聞かせください
これまで素晴らしい先輩方が出演されている「十代の演奏家シリーズ」、大変嬉しいです!
特別編としての出演機会を頂きまして、本当にありがとうございます。
今回は、現在の「阪田知樹」を十二分に皆様にお届けできる、そんな演奏会にしたいと思っております!
今回のプログラムコンセプト、聴きどころは?
有数の響きを誇る、浜離宮朝日ホールに於いての初リサイタルということで、真っ先に「ラヴェル:夜のガスパール」が浮かびました。
この作品全曲を披露することは今回が初めてになりますが、2011年特級のセミファイナル等で一部演奏した思い出深い曲です。
今回はそのラヴェルを軸に、フランスの作曲家(ミュライユ、フォーレ)とフランスの文化から影響受けた作曲家(リスト、ショパン)からプログラミングしました。1993年のミュライユから1844年のショパンのソナタへ、順々に時代を遡って聴いて頂くのも一つのコンセプトです。
初のソロアルバムのレコーディングも控えていらっしゃいますが、どのようなCDになりますか?
収録曲目は、本当に自信を持って「好きだ」と言える曲のみで決めさせて頂きました。今の自分なりに熟考を重ねているので、納得した内容になれば、と思います。一つの作品として通して聴いて頂くこともできるような1枚になれば嬉しいです。
最近の活動について教えて下さい。
昨年2014年度は、日本国内そしてヨーロッパのみならず、初めてのアメリカにてリサイタル、協奏曲などのコンサートツアーがありました。
目まぐるしく移動しながらの演奏会ツアーを行う中で、会場の響きだけでなく、その都度演奏する楽器も違う我々は、ピアノ×会場×曲の化学変化に常にアンテナを張っていることが必要不可欠だと体験しました。アメリカツアーでは、アンコールのリクエストなども四方八方から飛び交って盛り上がったりするので、出来得る限りの記憶力を頼りに繰り出したアンコール大会(?!)は冷や汗ものでしたが、とても喜んで頂けて、幸い良い化学変化が起こったように思います(笑)
十代でたくさんの経験を積まれています。
転機となった出来事、いまでも印象に残っていることなどあれば。
故ニコライ・ペトロフ先生に招聘して頂いたクレムリン音楽祭でのリサイタルは、最も大切な記憶の一つです。クレムリンの武器庫での人生初のオール・リストプログラムでの本格的なリサイタル、それを聴いてペトロフ先生が「世界一のリストだ」おっしゃって下さったこと...忘れ難い想い出は他にもありますが、これは本当に特別なものです。
これから続く十代のみなさん、また来場される皆さんに一言!
まだ若い私から申し上げるのも変なのですが(笑)、若いからこそできる経験は沢山あると思います!是非怖じ気づかないで一歩を踏み出してください!私も絶えず挑戦して学んでいきたいと思います!
5月5日、浜離宮朝日ホールにて皆様にお目にかかれること心より楽しみにしております!

阪田知樹さんの十代の軌跡
中3(2008年) 8月 14歳で、ピティナ・ピアノコンペティションG級銀賞。
高1(2009年) 8月 15歳で、福田靖子賞選考会で福田靖子賞(第一位)受賞、
様々な海外の音楽祭へ派遣されるなど、十代で国際的な経験を重ねる。
高2(2010年) 4月 リスト・ジュニア国際アカデミーに参加(オランダ)
高3(2011年) 4月 ペトロフ教授の招きで「クレムリン音楽祭」に出演(ロシア)
8月 17歳で、ピティナ特級グランプリに輝く。
大1(2012年) 5月 コモ湖国際アカデミーへ参加(イタリア)
大2(2013年) 6月 19歳で、ヴァン・クライバーン国際コンクールファイナル進出(アメリカ)

ピティナ特級グランプリと福田靖子賞ダブル受賞は、関本昌平さん以来。
益々世界へと羽ばたく才能を十代の演奏家シリーズのリサイタルでさらにサポートします。

⇒阪田知樹さんプロフィールはこちら


過去の出演者で振り返る「十代の演奏家シリーズ」
若いピアニストの精力的なプログラムを聴く
尾崎有飛さん (2008年出演)

十代の演奏家シリーズは、若いピアニストの精力的なプログラムを聴けるということが大きな醍醐味のひとつではないかと思います。10代のうちは新しい曲を、それも自分が長い目で研究や勉強をしていきたいと思える曲を見つけて、とにかくいろいろ弾くことが大事であると、今になって実感しているところです。僕が弾かせていただいたときは、特に当時自分が熱中していたメトネルの「嵐のソナタ」が難曲で、今でもこの曲については悩みどころ満載ですが、当時の年齢だったからこそ舞台に出して引き出せた演奏があったなと、後になって思うことがあります。
今回の阪田知樹さんはすでに世界で活躍されていますが、留学という環境の変化でまた新たな境地に踏み出していく彼の「現在ならではの演奏」を楽しむことが出来る思います。

プロとしての自覚と責任感
須藤梨菜さん (2004年出演)

このリサイタルは、私にとって2回目でしたが、大きなホールでは初めてのリサイタルで、2003年浜松国際ピアノコンクール入賞の1年後ということもあり、自信をもって臨めたのを覚えています。
特に印象に残っている曲はシューマンのピアノソナタ1番。この曲をどれだけ聴衆の方に飽きずに聴いていただけるかという事をすごく意識し、追求していった事を思い出します。
これまでも沢山のコンサートは経験してきましたが、リサイタルという1人舞台での一つ一つの経験、積み重ねがプロとしての自覚と責任感を高めていきました。 10代の頃は、自分の演奏に夢中でしたが、今では、演奏はもちろん、どれだけ聴衆の方と一つの空間をいかに共有できるかを考え、リサイタルでのトーク等の 大切さをも感じるようになりました。
現在は、国内外にてコンサート、リサイタルを中心に活動しております。

国際舞台へのレパートリーに
関本昌平さん (2002年出演)

この度は久しぶりの十代のリサイタルシリーズ開催、大変嬉しく思っています。しかも出演者が阪田知樹君!とあれば聴き逃す手はありませんね。演奏が素晴らしいのはもちろん、大変博識でお人柄も素晴らしく、個人的に生徒に特別レッスンをしていただいています(!)

私が「十代」に出演したのは高校2年、まだ国際コンクールに挑戦する前です。東京に来て2年目、1人暮らしに学校生活に、とにかくがむしゃらでした。生涯の恩師、二宮裕子先生と出会い、極めてハイレベルで高級な要求をなんとか自分のものに!!と本当にピアノに夢中でした。東京の素晴らしいホール、大曲だらけのプログラムで演奏するのは初めてで本当にありがたい機会でした。その頃は、特別プレッシャーを感じることもなくただただ本番が楽しみだった怖いもの知らずの僕、そして何とかそのレベルにしなきゃと一生懸命な二宮先生と二人三脚で取り組んだのを覚えています。 こうした曲を特級や国際コンクールで自分のレパートリーにしていきました。大きな踏み台になったと思います。ピティナは若手のピアニストの活動も未来を見据えて本当に親身にサポート下さるので、さらに活躍していくピアニストはどんどん増えていくでしょうね!

現在は演奏活動と並行して教育にも力を入れています。練習は睡眠を削るしかない・・・本番前でも生徒のことも大切でギリギリまでレッスンしてしまう性分で、本当に並行する大変さを感じますが、生徒と向き合うことで音楽家としても人間としても成長させていただいてると思います。
またピティナを通してたくさんの先生方と交流する機会に恵まれており、このような組織があることで指導者も常にモチヴェーションを保って、向上していけるのだと感じています。

迷いの中で出会った曲
泉ゆりのさん (2001年出演)

10代の演奏家シリーズのお話しをいただいた当時、高校生だった私は様々な迷いの中にいました。 舞台に立つのも怖くてたまらず、悩んでも答えのない音楽に息苦しさを覚え、自分にピアニストとして生きていくのは無理なのではと思っていました。
でもこのリサイタルの曲目としてシューベルトの幻想ソナタと出逢い、私でも許されるなら、この苦悩をも超越した美しい音楽にもっと近付きたい、この道で生きていたいと思ったのが私の遅いスタート地点だった気がします。
コンサート当日には福田靖子先生からお手紙をいただき、闘病中でありながらも便箋びっしり書いてくださった暖かいお気持に背中を押されたあの日の想いは、今でも鮮明に覚えております。

これからの公演
  • 1月25日 三つの心のコンサート (13:30開演 サルビアホール)
CD情報
  • この10代の演奏家シリーズでも思い出の曲であるシューベルトの幻想ソナタとシューベルト=リストを収録した新譜CDが、春に発売予定
空間をお客様と共有する
根津理恵子さん(2000年出演)

王子ホールという憧れの会場で、しかも私にとって初めてのソロ・リサイタル。本番の一年も前から大変な緊張状態で、この大役を果たすことができるのだろうか、と、自問してはパニックに陥る日々でした。なんとか迎えた当日のリハーサルで、ピアノと会場の響きの透明感に出会い、それまで一年間抱えてきた緊張から一気に開放されました。本番では特にドビュッシーを演奏したときの静寂、張り詰めた空気の心地よさが鮮明に記憶に残っています。また、同じ門下生の先輩方が演奏前や休憩時間に、楽屋で私を勇気づけてくださったことや、國谷尊之先生にインタビューして頂き、気持ちがほぐれた楽しいトークも思い出深く、感謝しています。
私にとってデビューリサイタルとなったこの公演で、演奏とは「自らが弾く」ばかりでなく、静寂を含めた空間をお客様と共有するのだということを肌で感じました。また、会場入りから本番終わるまでの流れと、時間、体力、気力の配分の大切さを学ばせて頂きました。この日、リハーサルに熱を入れすぎ、本番少々バテ気味だったので・・・。集中力のピークを本番にもってくること。これは経験を重ねた今でも教訓として生きています。

先に続くノンフィクション物語の始まり
大崎結真 さん(1999年出演)

私が出演させて頂いたのは17歳の時、「10代の演奏家シリーズ」が第10回目の節目に当たり、カザルスホールでのリサイタルというとても恵まれたデビューでした。
その時の演奏も、華やかなステージも、満席のお客さまも、応援に駆けつけてくれた芸高の友人一人ひとりの笑顔も、鮮やかに脳裏に焼き付いています。カザルスホールでの演奏会は、私にとって原点であり、先に続くノンフィクション物語がここから始まったと思っています。この日のために用意した<リスト/ソナタロ短調>を中心としたプログラムは、今振り返れば、なんと大胆不敵なプログラムと思うけれど、思いっきり背伸びをして演奏させて頂いた経験は、後に国際コンクールの舞台で入賞へと導いてくれました。現在、そして未来へと私のノンフィクション物語が形成される事を思う時、その意義は大きく感謝に堪えません。

これからの公演
  • 1月28日(水)19:00開演/ 東京文化会館小ホール
    ショパン協会 第269回例会 「大崎結真 ピアノ・リサイタル」
    ~ショパンの幻想的遺伝子たち~
  • 5月2日(土)12:30 紀尾井ホール
    金子勝子門下&卒業生による50周年記念コンサート 「音の調べ」
  • 5月17日(日)14:00開演/龍ヶ崎市文化会館
    大崎結真 ピアノ・リサイタル
  • 6月28日(日)15:00開演/ミュージックアベニューつくば サロン
    大崎結真 サロンコンサート

⇒これまでの十代の演奏家シリーズ

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