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ラ・フォル・ジュルネ東京2024丸の内エリアコンサート「未来のピアニストたち」
日時
2024年5月5日(日)
開演:03:15
料金
観覧無料
メッセージ
◆永吉 友亮
「初めてのLFJ丸の内エリアコンサート出演ですが、テーマに沿った選曲という初めての体験に最初しばらく悩みました。今年のLFJのテーマは「ORIGINES(オリジン)」、起源や根源という意味です。音楽の起源や根源、音楽の歴史は古くからどんどんつながっていて、ある作曲家の作品は前の時代の作曲家の作品がルーツになっており、一方その作曲家の作品自体も次の時代の作曲家の作品のルーツになっています。そう考えると壮大すぎてまた悩みますが、ふと昨夏のコンクールの最後に弾いた、大好きなショパンのスケルツォが頭に浮かびました。スケルツォはイタリア語で冗談、ユーモアという意味です。スケルツォのルーツを調べてみると、初めて登場したのは1605年だそうです。その後ハイドンが多楽章形式の曲の中間楽章にメヌエットの代わりにスケルツォを取り入れました。スケルツォを気に入ってソナタや交響曲で多く取り入れたのが、ハイドンの弟子であるベートーヴェンでした。今回演奏するのは、ベートーヴェンのソナタ第2番の第3楽章スケルツォ・アレグレットと、スケルツォを単独の作品として完成させたショパンのスケルツォから第2番を選んで組み合わせました。時代の違いや共通点を感じていただけるよう、精一杯魅力的に表現したいです。」

◆安井 友理
「まだピアノを始めたばかりの時、発表会で何を弾きたい?と先生に聞かれ、ワルシャワのショパンコンクールで聴いた即興曲3曲弾きたいと言って、その選曲の渋さに先生が驚いたようです。私が初めて演奏したいと思ったショパン愛の出発点~オリジン~の曲です。晩年に作られたこの曲は、派手な大曲ではないけれど、そのシンプルさの中に泣けるほど美しい和声が溢れている名曲です。聴いて下さる皆様に束の間の癒しとなれればと思い、今日のプログラムに選びました。」

◆長谷川祐音
「最初に演奏しますショパンエチュードOp.10-1は左手によるオクターブの和声変化で奏でる旋律と右手の美しいパッセージによって構成されています。まるで広々とした大洋を感じる作品です。2曲目に演奏しますベートーヴェンピアノソナタ第23番『熱情』(今回は1楽章のみ)は1805年に作曲された曲です。この頃ベートーヴェンは35歳で耳の難聴が悪化し精神的にも非常に苦しかった時です。またこの作品にはヨゼフィーネ・ブルンスヴィックに対する叶わなかった恋、ベートーヴェンの辛く苦しい胸の感情を激しく旋律に込められているとも言われています。この偉大な作品を演奏し、全てを理解して表現するにはまだ14歳の僕には難しいですが、ベートーヴェンの怒り、苦しみ、絶望など複雑な感情を考え、今この年齢だからこそ伝えられる精一杯をお届けできればと思います。またこの素晴らしい音楽祭LFJの丸の内エリアコンサートの舞台に参加する事ができとても光栄に思います。今年のテーマ【ORIGINES(オリジン)】〜すべてはここからはじまった〜本来の意味とは違うかもしれませんが、今日この日がまた僕にとっての新たな第一歩にもなればと思います。」
主催者
三菱地所株式会社